自閉症の息子の療育方法 PECSでのコミュニケーション~メリットとデメリット~

療育

こんにちは!!ころんとです。

自閉症スペクトラムを持った子供を育てていく時、親御様は療育方法をきっと悩んでいると思う。本やネットで調べたり、専門機関に通って先生の指導を受けたり・・・でもその子にあった療育方法を見つけるのって難しい💦手探りでいろいろ試してやっと見つけたと思ったらもう結構な歳に・・・もっと早くわかっていればもっと楽になったのに・・・実際に私もそう思う。

自閉症スペクトラムは様々な特性、そしてその濃度が混じり合っているため、個々での療育方法も多岐に及ぶし、現在は多くの情報がインターネット上で溢れているため逆にその子に合ったのを見つけるのが難しかったりする。そこで一つの事例として我が家が今まで行ってきた療育をいくつか紹介出来ればと思った。今回はPECSというものを紹介する。もしかしたら似たタイプのお子様がいて参考になるかもしれない(^^)

PECSとは

絵カード交換コミュニケーションシステムのことで簡単に言うと言葉を伝えるのが苦手な発達障害(特に自閉症)の子に対して、絵カードを組み合わせて自分が言いたいこと、意思を伝えられるようにすることである。

わかりやすく解説しているサイトがあるので参考までに

👉https://www.manacal.co.jp/wp/?p=2944

ムテ吉がPECSを使用したのは小学校2~4年生までの2年間だったが確かな効果を得ることが出来て、次のステップに進むことが出来た。

この頃の我が家の息子、ムテ吉くんについての特徴を簡単にまとめてみると・・・

特徴

  • 超受動型で何もやろうとしない。
  • 発語は全くなし
  • 記憶力がいい(一度見たことを覚えている)
  • クレーン現象
  • 感覚過敏、鈍麻
  • 目線が合うことが少しずづ出てきた。
  • 異食行為が激しい

こんなところ。改めて書き出すとなかなか・・・😅

PECSを知ったのはムテ吉が小学校1年の後半、療育でOT(作業療法士)の方が教えてくれた。

誰もがうまくいくことではないがムテ吉は視覚優先が強く、また、記憶力もあり、こちらが言っていることを理解しているし、発語を促すためにもと提案してくれたのだ。

だが、当時、PECSの教材などは販売されていなかったため、インターネットで見たものを作ることにした。(百均の材料でできる😁)

実物のきれいな写真を載せたかったのだが異食行為大好きのムテ吉に咬んで壊されてしまって残された残骸です👉

どんなものか気になる方は『PECS、教材』などで検索してみてほしい。

また、PECS詳しいことを知りたい方はこちらを参考にしてみてはと思う。

かお

PECSには6つの工程があるのだが、今回は我が家行った方法を紹介する。

我が家のPECSの導入工程

  1. 欲しいものを絵カード一枚で交換する。
  2. 自分で欲しいものを得るために2枚以上のカードを選び、ボードの上に貼り付けることが出来る。
  3. カードに新しい名詞、形容詞や動詞などを追加して言語の種類を増やす。
  4. カードを持ってきたらすぐに要求に応えるのではなく、『これが欲しいの?』など声掛けをして発語を促す。

欲しいものを絵カード一枚で交換する。

まずはムテ吉がいつも要求するもののカードを作り、いくつかのカードの中から選ばせてそれを実際やってもらうようにした。

例えばチョコレートのカードを選んだらチョコを1つ与える。とか、アンパンマンのカードを持ってきたらアンパンマンのテレビを見せるなど。

ムテ吉は口に入れる異食が強いので食べ物、飲み物系のカードはすぐに持ってきて要求するようになり、逆にトイレのカードは今まで制限なく勝手に行っていたため、カードを持ってくる→トイレに行くということが繋がるまでに少し時間がかかったように思う。本人の興味のあることから広げると理解が早い。

この時、ムテ吉の生活環境は家、学校、放課後デイサービスの3つで、統一性がある方が本人も混乱しないと思い、学校とデイサービスに協力してもらっていつもPECSを持ち歩いて要求→カード→達成という工程を親以外の人、家以外の場所でも出来るようにした。

当時、学校の先生やデイサービスの支援員の方もPECSを知らない人が多く、なかなかうまく統一で出来なかったが2~3か月でどこでも、誰でもカードを使うことが出来るようになった。

自分で欲しいものを得るために2枚以上のカードを選び、ボードの上に貼り付けることが出来る。

次は要求したいカードを2枚以上選んでそのカードをボードに貼り付けるというもの(カードとボードはマジックテープで貼り付けられる)

例えばチョコレートのカード+食べている人のカードをボードに貼り付けて

=チョコレート欲しいなど。

これは一枚のカードを持ってくるだけから難易度が上がり、正確に出来るようにはかなり時間がかかった💦特に名詞は理解出来ているのだが『食べる』『遊ぶ』などの名詞の絵カードや『うれしい』『悲しい』などの感情を表すカードが理解するのが難しい様子だった😰

きっと絵カードからのイメージが出来なかったり、表情を読み取れなかったりしたのだろう・・・💦

正直、チョコとお茶碗とコップを持ってきたらお腹空いてるんだってわかってしまうのだが、そこは食べるカードを理解して持ってくるまで何度の繰り返し行った。かわいそうに思ってしまうがここはぐっと堪えて・・・食事の時もカードがちゃんと並べられるまでご飯が冷めても一緒に待った💨

厳しいけど我が家の療育は基本的にこちら主導で行い、ある意味、本人の好きにさせ過ぎない。もちろん遊ばせる時は思いっきり遊ばせるし甘やかすが、時間を決めたりしてメリハリと切り替えが出来るように、そして何事も思った通りにはいかないことを理解させるために・・・きっとムテ吉はパパのこと怖い人に思ってるだろうな😅

カードに新しい名詞、形容詞や動詞などを追加して言語の種類を増やす。

次は新しい言葉を増やすこと。例えばデイサービスのカードでも利用しているところで種類を増やしたり、トイレもおしっこ、うんちに分けたりした🤔

これもやはり名詞はすぐ理解するが、形容詞がなかなか理解できない💦

一絵カードの意味を一つ一つ理解させながら使用できるカードを増やしていくことは根気のいる作業だった。

カードを持ってきたらすぐに要求に応えるのではなく、『これが欲しいの?』など声掛けをして発語を促す。

PECSを行っていく上でのデメリットとして、要求とカード交換が成り立つのはいいが、それだけになってしまう可能性が挙げられる。

言葉の出ない我が家のムテ吉もまさにそれで、PECSに慣れてくるほどに発語しようとする気が感じられなくなってきた。本人にとっては喋らなくてもコミュニケーションが成り立つのだから、わざわざ発語を覚えなくてもいいや・・・と言う事なのだろう😅

ムテ吉のPECSの最終段階として、絵カードを貼り付けて持ってきたとき、絵カードの名詞を言わせる。『お願いします』『ありがとう』を要求に応える前後で言わせる。を徹底した。

最初はなかなか要求が通らなくなったのでイライラしたり声を挙げたりしたが、ムテ吉にとっては感情の表出自体が少ないのでいいことだと思った。時間はもちろんすごーくかかったが焦らず焦らず・・・と言い聞かせながら・・・(/ω\)

この段階に来るまでPECSを始めて約1年、長かった😭そしてその後は絵カードを増やしながらPECSを使用し、発語を促すために一つの動作をするごとに発語を要求するようにした。

そして約一年、PECSを行い、声を出すことへの抵抗が無くなり、以前に比べて発語も格段に増えた😄

しかし、絵カードに頼りすぎてきて、絵カードがないと喋らないようになった💦

そして学校の先生やOTの先生などと話し合い、ムテ吉が言葉の理解力が高いことから、絵カードなしでも指示が通りやすく逆に絵カードに依存して言葉が出なくなる可能性もあるとしてPECSを終了し、要求がある時は発語をさせる方法に切り替えることになったのだった。

PECSのメリットとデメリット

メリット

  • 自閉症に見られる視覚優先を利用できる。
  • ある程度本人の意思を理解できる。
  • 相互間でコミュニケーションが録れる。

デメリット

  • ある程度の言葉(特に名詞)の理解力が必要
  • PECSのやり方を理解するまで大変。
  • 逆に言葉が出ずらくなる可能性もある。

このようにPECSにはメリット、デメリットがあり、すべての人に勧められるものではないが、我が家のムテ吉は期間を限定して行ったところ、結果的に初めて相互コミュニケーションでやり取りをすることを覚え、次のステップに進むことが出来た。

自閉症スペクトラムでなかなか言葉の出ないお子様をお持ちで、うまくコミュニケーションがとれないなどで悩んでいる方は1つの選択肢として有効な方法かもしれない・・・😊

おしまい🎵

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